風来坊

洋楽2


Live in Japan/Deep Purple ★★★★★

言わずとしれた、ハードロック史上最高のライブアルバムである。リッチー・ブラックモアのうねるギター、ジョン・ロードの歪んだハモンド、イアン・ギランのシャウト、
イアン・ペイスのパワフルなドラミング、ロジャー・グローバーのベース、すべてが化学反応を起し奇蹟を生んだアルバム。最初から最後までドライヴしまっくている。
音がいいのも特徴だが、最近のライブ・アルバムのようにクリアー過ぎず、適度にドライブの掛かった音で、あたかもライブ会場で聴いているような気分になる。



Brain Salad Surjery/E,L&P ★★★★★

プログレッシヴロックにおいてある種、頂点を極めた作品と言えるかもしれない。
クラシック、ジャズ、ロックを融合したアルバム。楽曲もヴァラエティに富み、飽きさせない。わずか三人で作り出しているとは思えないくらい分厚い音を生み出している。
テクノロジーのまだ未成熟な分を演奏技術でカヴァーしていた時代。ライブでもほぼ同様の音を再現している事からも分かるように、三人の演奏技術の高さ、
特にキース・エマーソンの演奏技量には驚嘆せざるを得ない。
レイチェル・フラワーという全盲の女性がELPの曲を完コピしている映像がYoutube上にあがっているが、このレイチェル・フラワーという女性もすごいが
キース・エマーソンが一体どのように演奏していたかがわかり、驚愕する。



In the court of the Crimson King/King Crimson ★★★★☆

うちのオンボロラヂオからクリムゾンキングの宮殿が流れてきたときはブッ飛んだ。メロトロンという楽器のすごさを世に知らしめたアルバム。
まさにアヴァンギャルド、今聴いてもすごいのひとこと。最近こういうわけのわからないとんでもない奴が現われないのがさびしい。



Rainbow Rising/Rainbow ★★★★☆

パープルを脱退したリッチーがパープルの前座をしていたエルフというバンドと作ったレインボーのデヴューアルバムからロニーを残して全員クビにして、新たにミュージシャンを入れて作ったアルバム。今は亡きコージー・パウエルのドラムがカッコいい。このころが、レインボーおよびリッチーの絶頂期だったのかもしれない。



Queen/Queen ★★★★

クイーンのデヴューアルバム。余り評価されていないようだが、私はクイーンのアルバムの中では一番すきだ。ブライアン・メイの変幻自在のギターが気持ちよい。プログレッシヴ・ハード・ロックといった感じである。



Fragile/Yes ★★★★

Close to the Edgeと並ぶYesの代表作。透明感のあるイアン・アンダーソンのヴォーカル、ブルースよりクラシックやスパニッシュの影響を強く感じさせるスティーブ・ハウのギター、流麗なテクニックのリック・ウエイクマンのキーボード、ギターのように歌うクリス・スクワイアのベース、卓越したビル・ブラッフォードの
ドラムが見事なアンサンブルを聴かせる。キース・エマーソンはクラシックとジャズを基盤としていたが、リック・ウエイクマンは、ほぼクラシックのみである。



Untitled/Led Zeppelin ★★★★

ツェペリンの代表作といっていいアルバムで、一番の聴き所はやはりStairway to Heavenであろう。曲の構成、サウンド、ギターソロどれをとっても素晴らしくツェペリンの代表曲といってもいいであろう。



Corridors of power/Gary Moore ★★★★

80年代の良質のハードロック・アルバムである。ゲイリー・ムーアのこれでもかと言わんばかりの粘りつく様な暑苦しいギターに暑苦しいヴォーカルが最高。



◆Run with the pack/Bad Company ★★★★

ブリティッシュ・ブルース・ロック・アルバム。ポール・ロジャースのヴォーカルがよい。シンプルなリズムセクションとこれまたシンプルなギターが、ポール・ロジャースのヴォーカルを際立たせている。



Machine Head/Deep Purple ★★★★

良質なハード・ロック アルバム。今では誰も驚かないだろうが、初めてHighway Starのギター・ソロを聞いたとき、信じられないくらいカッコイイと思った。



No Parole From Rock'n'Roll/Alcatrazz ★★★★

レインボーの元ヴォーカルスト、グラハム・ボネットが結成したハードロックバンド、アルカトラズのデヴューアルバム。Yngwie Malmsteenの事実上の出世作。ハードロックアルバムとしても良くできているが,聴き所は、なんといってもYngwieの超高速ギターであろう。 世界中のロックファンが余りの速さに度肝を抜かれた。今現在でさえこれほどのスピーデでこれだけ滑らかにギターを弾ける人間はそういないであろう。唯、テクニックは凄いのだが、彼のソロは基本的にマイナースケールを上下させているだけなので、一曲聴けば十分。



In Rock/Deep Purple ★★★★

それまでのアートロック、サイケデリックロックから本格的ハードロックに転向したアルバム。確かに録音は古いし、音もあまり良くはない。しかし、これはまぎれもないロックのエネルギーに満ち溢れたアルバムである。最近のクリックに合わせた音楽ではなく、生身の肉体のグルーヴがある。



Danger Money/U.K. ★★★★

ハモンドの荘厳な響きとそれを支える重く多彩なドラムで始まる、プログレ様式美を極めたアルバム。
エディ・ジョブソンの正確無比で無機的なキーボードとそれとは対照的な叙情的エレクトリック・ヴァイオリンの響き、テリー・ボジオの変則的で多彩なドラム、ジョン・ウェットンのベースとヴォーカル。
キース・エマーソンと違いエディ・ジョブソンの弾くキーボードからはジャズやブルースの影響は感じられない。



Watermark/Enya ★★★★

クラシックとケルトを基礎とした音楽性、清らかで幻想的なメロディ、サウンド、歌声。ヒーリング・ミュージックの代表作といえるだろう。



The dream of the blue turtle/Sting ★★★★

Police のStingのソロアルバム。Policeよりジャジーで洗練された感じに仕上がっている。
ポップな面も覗かせる良作。



Aerial Boundaries/Michael Hedges  ★★★★

押尾コータローの元祖のような人。今は亡きマイケル・ヘッジスのアルバム。全編ほぼアコースティックギター一本のインストアルバム。アコースティックギターの可能性を極限まで極めたような、水晶のように透き通った輝きを放つ、珠玉のアルバム。



Permanent Waves/RUSH ★★★

欧米では人気があるのに日本では人気がないバンドの一つがこのラッシュだろう。
このアルバムからその要因を考えてみると、凡庸なメロディー、曲調にバラエティーが不足しているため
一聴しただけでは曲の区別がつかず、全部同じように聞こえてしまう。 
また一曲の中でも変化に乏しくシンセや変拍子を使ってプログレ風にしているが、ELPやYesほどの構成力、演奏力はなくソロも陳腐、といったところだろうか。



Atom Heart Mother/Pink Floyd ★★★

タイトル・チューンの一曲目はインストナンバーで、大胆にホーン、声楽隊、ストリングスを導入して、壮大なロック・シンフォニーを聴かせる。
次に、どうでもいいフォークソングやポップソングが続き、最後もまたインストナンバーであるが、こちらはピアノ主体の部分とアコギ主体の部分、最後にバンドアンサンブルになるのだが特にテーマとなるモチーフがあるわけでもなく、誰かが強力なソロを取るでもなく、
延々とバッキング・トラックを聴かせられている気分になる。



Quartermass/Quartermass ★★★




キーボード、ドラム、ベース&ヴォーカルといった編成の三人組ロックバンド。
編成からELPのような音楽が連想されるが、至ってストレートなロック。
キーボードも主にハモンドが使用され、そこにピアノが少し加わる程度。
ヴォーカル主体の楽曲で、ソロもあるが、クラシックやジャズの技法を使った、超絶技巧が展開されるわけでもなく、オーソドックスなロックオルガンである。



Voices In The Rain/Joe Sample  ★★★★

ほぼ全編インストナンバー(一曲ヴォーカルナンバー)のフュージョンアルバム。
ジョー・サンプルの奏でる哀愁を帯びたピアノが秀逸で、アレンジも心地よく、一流のミュージシャンの演奏であるが、テクニックをひけらかすことなく、アンサンブル重視で、聴きやすいアルバムに仕上がっている。