風来坊

洋楽1


The Inside Story/Robben Ford ★★★★

ファンキーなリズムに載せて、洗練された都会的なフュージョンミュージックを聴かせる.ヴォーカル曲が二曲あるが、ほぼギターインストアルバムであるが、テクニカルギタリストにありがちなテクニックごり押しではなく、メロディー、楽曲重視の聴きやすいアルバムとなっている。



Disturbing The Peace/Alcatrazz★★★★ 


元レインボーのヴォーカルスト、グラハム・ボネット率いるハードロックバンド、アルカトラズのスタジオ録音としては二枚目のアルバムである。イングヴェイの後釜として、ジョー・サトリアーニに師事し、フランク・ザッパの下で修業した変態ギタリスト、スティーヴ・ヴァイを迎えてのアルバムは、ありきたりではないひねりの効いたハードロックアルバムとなっている。若干控えめとは言え、随所にヴァイの変態ギターが冴え渡るが、バンドサウンド重視でやり過ぎておらず、一風変わったハードロックを聴かせる。



Great Hits/T.Rex★★★★

グラムロック界の貴公子、マーク・ボラン率いるT.REXのベスト盤である。
端正なルックス、カーリーヘア、ギンギラギンの衣装で歌う姿は、絵にかいたような
ロックスターだった。曲もカッコよく、時代の寵児であったが、自動車事故により夭逝し伝説となった。



Tarkus/EL&P ★★★★★

ELPのアルバムの中では、最も前衛的、攻撃的なアルバムである。
架空の生物タルカスをイメージして造られた組曲で、エマーソンの4度のオスティナートをメインテーマとして、そこに多彩なフレーズが絡み合う構成となっている。
メインの組曲以外の小作品も素晴らしく、飽きさせない。



The Kick Inside/Kate Bush ★★★★★

ピンク・フロイドのデイヴィッド・ギルモアに見いだされた、天才少女ケイト・ブッシュのデビューアルバム。
全曲自身で作詞作曲し、デビューアルバムにしてすでにその類い稀な才能を遺憾なく発揮している。ハイトーンの甘く妖しさを湛えた声とともに、
ちょっと知的なポップソングを聴かせる。



U.K./U.K. ★★★★

ジョン・ウェットン(b、v)、ビル・ブラッフォドー(d)、エディ・ジョブソン(k、vン)、アラン・ホールズワース(g)
という超絶技巧派によるスーパーグループ。理知的、無機質、緻密に構成された音。
音楽とは永い修練によって熟練したものが奏でるべきものという社会通念に対するアンチテーゼとして発生した、技巧よりも原初的衝動の発露を重視したパンクロック。
そのまたアンチテーゼとして生まれた超絶技巧集団のU.K.メンバー曰く「パンクロックをナイフで突き刺したような音楽」
ビル・ブラッフォドーとアラン・ホールズワースはこのアルバムのみでバンドを去る。
クラシック出身で音楽とは緻密に構成されたものであるという発想のエディ・ジョブソンとジャズに多大な影響を受けその瞬間に生み出されるものが音楽であるという
発想のアラン・ホールズワースが同じグループで長くやれるわけもない。なんでもエディ・ジョブソンがアラン・ホールズワースに
「毎晩、同じソロを演奏しろ」と言ったらしい。そりゃあ一緒にやれないだろう。



Close to the Edge/ Yes★★★★

イエスのアルバムの中で最高傑作の呼び声も高い。3曲中2曲が組曲形式となっており、壮麗な音楽を奏でる。
イアン・アンダーソンの透き通るハイトーンヴォイス、スティーヴ・ハウのディストーションの掛かっていないギター、ビル・ブラッフォードの乾いたドラムにより、音が重苦しくならず、荘厳でありながらも透明感溢れる音楽となっている。

Like A Virgin/Madonna★★★★


元々はダンサー志望で、一日ポップコーンでしのぎダンスに打ち込んでいた日々を送っていたが、ダンスでは食っていけないとシンガーに転向。
当時売れっ子だったナイル・ロジャーズをプロデューサーに迎えて作られた本作は、一大ヒットアルバムとなりスーパースター、マドンナの地位を確立した。



Flash/Jeff Beck★★★★

これもナイル・ロジャーズをプロデューサーに迎えて、インストは2曲のみで、だいたんにヴォーカルを導入し、ポップ、ロック色を強めたアルバム。
世間的な評価はあまり高くなく、本人もあまり満足していないようだが個人的には気に入っている。
特にGets Us All In The Endでのジャクソン・ソロイストを使ったギターソロは、他のベックのアルバムではあまり聴かれないほどロック色溢れる攻撃的なものとなっている。



Synchronicity/Police★★★★

ギター、ベース、ドラムスという最小限のユニットながら、個々の力量により空間的に広がりのある音楽を構築することに成功している。ジャズ、エスニックの要素を取り入れつつ、それらを十分に消化しきった独自の音楽を作り上げている。スティングのヴォーカル、スチュアート・コープランドのドラム、アンディ・サマーズのギター
が絶妙に絡まりあい、唯一無二の音楽を築き上げている。



Goodbye Yellow Brick Road/Elton John★★★★

ポップロックの一大傑作アルバムであり、エルトン・ジョンの最も脂の乗り切った時期に制作されたアルバムである。軽快なロックナンバーあり、しっとりとしたバラードありと
多彩な楽曲がエルトン・ジョンの弾くピアノに乗せて繰り広げられる。ダイアナ妃の葬儀で一部歌詞を変えて演奏された「Candle in the wind」や
「Goodbye yellow brick road」「Bennie and the Jets」といったヒットチューンが納められている。



Surfing with the alien/Joe Satriani★★★★

高速テクニカルギタリストのジョー・サトリアーニのソロアルバム。全編ギターインストであるが、曲調、音色がバラエティーに富んでおり、聴くものを飽きさせない。



On Time/Grand Funk Railroad★★★★

アメリカンハードロックを代表するバンド、グランドファンクレイルロードのデヴューアルバム。
ギターはアンプ直かファズを踏んずけた音しかなく、ヴォーカル、ベース、ドラムもノンエフェクト。しかし、そのことが却って生々しい迫力を生み出している。



Smash Hits/Jimi Hendrix Experience★★★★

ジミ・ヘンドリクスはギタリストとしてクローズアップされることが多いが、コンポーザーとしても非凡な才能を持っていたことを、改めて認識させられるアルバムである。



Tracy Chapman/Tracy Chapman ★★★★

アコギ、ベース、ドラムといったシンプルな編成が、トレイシー・チャップマンの魅惑的な歌声を一層際立たせている。ブルージーなトラッドフォークといった趣のアルバムである。



The Captain and me/The Doobie Brothers ★★★★

乾いたギターのカッティングがアメリカの大西部を思い起こさせるドゥービー・ブラザーズの傑作であるとともに、70年代アメリカン・ロックを代表する一枚でもある。



Dawn Patrol/Night Ranger ★★★★

80年代アメリカンハードロックを代表する一枚といえる。一番の聴き所はジェフ・ワトソンとブラッド・ギルスのツインギターであろう。
ジェフ・ワトソンのメカニカル高速ギターとブラッド・ギルスのオーソドックスなギターフレーズとアーミング、
ハーモニクスを使ったトリッキーなプレイは一聴に値する。全体的にキャッチーなメロディで聴き易いアルバムとなっている。



Gaucho/Steely Dan ★★★★

洗練された都会派アダルトコンテンポラリーロック。徹底的に計算され研ぎ澄まされた職人技的な世界を構築しているが、それを感じさせない心地よい音楽を提供している。



Phaedra/Tangerine Dream ★★★★

ドイツの三人組シンセサイザーユニット。シンセサイザー黎明期の実験的かつ即興的音楽。全編ムーグシンセサイザー、メロトロン等を使ったインストゥルメンタル・アルバム。
改めて、アナログムーグシンセサイザーの表現力とタンジェリン・ドリームのアイデアの豊富さに驚かされる。



Sweet Fanny Adams/Sweet ★★★★

それまでのバブルガム・ポップ・バンドから、ハードロック・バンドに変貌を遂げたSweetの代表作。
パープルよりもポップな良質のハードロックアルバムである。