風来坊

洋楽4



One Of A Kind/Bruford★★★★☆

ジェフ・バーリン:ベース&ヴォーカル、ビル・ブラッフォード:ドラム、アラン・ホールズワース:ギター、
デイヴ・スチュワート:キーボードといういずれ劣らぬ凄腕ミュージシャンたちが、プログレッシヴ・ジャズ・ロックと
いった感じの音楽を奏でる。全編インストゥルメンタルであるが、日本のフュージョン・バンドにありがちな
CMのBGMに流れそうな甘ったるい音楽ではなく、水晶のように透明で繊細な輝きを放つ珠玉の音楽を奏でる。



RISE/HERB ALPERT ★★★★

トランぺッター、ハープ・アルバートのアルバム。一曲を除き全曲インストゥルメンタルのアルバム。
ファンキーなリズムに乗せて、ハープ・アルバートのメロディアスで爽快なトランペットが冴えわたる。



VAN HALEN/VAN HALEN★★★★

ヴァン・ヘイレン衝撃のデヴューアルバム。ヴァン・ヘイレンというとエディー・ヴァン・ヘイレンの
ギターテクニックばかり注目されがちだが、寧ろリフや曲作りの才能の方が際立っている。
テクニックの優れたギタリストは沢山いるが、曲作りの才能を併せ持った者は少ない。
そのことが、ヴァン・ヘイレンをハードロック界の王者たらしめている所以であろう。
このデヴューアルバムでは、まだリフは比較的シンプルであるが、すでに輝きを放っている。
しかし、本アルバムの聴きどころは、やはりエディー・ヴァン・ヘイレンのタッピング(ライトハンド奏法)
であろう。タッピング自体はエディーの考案したものではなく、それまでも使われていた奏法であるが
それらはあくまで装飾的ギミック的な使われ方であった。それをエディー・ヴァン・ヘイレンは前面に押し出し
ソロの大半をタッピングで弾いて、世界中のギタリストに衝撃を与えたわけである。
エディー・ヴァン・ヘイレンをタッピングの第一人者と考えて間違いないであろう。



CHASE/CHASE ★★★★

普通のロックバンド+トランぺッター4人といった感じの編成。4人のトランぺッターはジャズ畑出身で
ほかのメンバーもジャズには何らかの関りがあったようで、ジャジーでファンキーなロックを聞かせる。
普通のロックバンドでエレキギターが担当する、リフやソロをトランペットが担ってる感じである。
その為、ギター中心のバンドとは大きく趣を異にし、クールなブラスロックを聞かせる。



COME ON OVER/OLIVIA NEWTON JOHN ★★★☆

あまり声量はないが、甘く少しハスキーな歌声が、それにマッチした楽曲とともに、心地よいポップスを
奏でる。アメリカのアイドル歌手といったところか。(オーストラリア人だけど)
もっとも日本のアイドル歌手に比べれば、はるかに力量は上回ってはいるが。



COME TASTE THE BAND/DEEP PURPLE★★★★

リッチー・ブラックモアの脱退後、アメリカ人ギタリスト、トミー・ボーリンを迎えての新生パープルのアルバム。
それまでのパープルのイメージを持って聞くと違和感があるが、先入観なしに聞いてみると、これが素晴らしい
ロック・アルバムである。トミー・ボーリンの加入により、よりファンク色の強くなったサウンドが、従来の
ハードロックのサウンドにブレンドされて、絶妙なロック・サウンドを生み出している。
本アルバム発表後に世界ツアーを行っているが、その後パープルは解散し、トミー・ボーリンは亡くなっている。



BUNDLES/SOFT MACHINE★★★★

全編インストゥルメンタルのジャズ・ロックアルバム。聴きどころは、アラン・ホールズワースのギターであろう。
この頃は、まだチョーキング等を使って、ロックよりの、ある意味わかり易いギターを弾いている。
とは言え、テクニック、スピードともに既に超人レベルに達している。



EYE IN THE SKY/THE ALAN PARSONS PROJECT★★★☆

ソフトでポップなプログレッシヴ・ロック。プログレ風ポップ・ロックと言うべきか。
ヴォーカル主体で、超絶技巧を駆使したインストゥルメンタルのソロはない、心地よいアルバム。



Cool Islands/Cusco★★★

ドイツのシンセサイザーグループ。全編インストゥルメンタルアルバム。
ドイツのシンセサイザーグループと言えば、タンジェリンドリームが思い出されるが、
大分、音楽的志向は異なる。タンジェリンドリームは、無機的なシーケンス・フレーズの上に
即興的に音を重ねていくという手法であったが、クスコは緻密に構築された楽曲を奏でる。
また、クスコはシンセサイザーだけでなく、ドラム、ベース、ギター等を加えたグループ構成となっている。
音楽自体は、イージーリスニング系シンセサイザー・ミュージックといったところか。
テレビ・アニメのBGMに流れてきそうな、甘ったるい音楽である。



Down two then left/Boz Scaggs ★★★★

洗練された都会派AOR。楽曲、演奏、アレンジどれも申し分なく、カッコいい大人のロックを聞かせてくれる。



Presence/Led Zeppelin★★★★

  ゼップのリズムセクションは、どのアルバムも凄いのだが、このpresenceのリズムセクションは鬼気迫るものがある。
  ロバート・プラントの交通事故というアクシデントに見舞われたことで、逆にバンドとしての一体感が増した感がある。
  サウンドはヘビー・メタリックであるが、いわゆるメタルとは違い、ジミー・ペイジのギターは、時にブルージーであり、
  時にファンキーなカッティングを聞かせ、単調に陥ることを防いでいる。
  個人的には、Achilles Last StandのギターソロはStairway to Heavenに匹敵するものだと思っている。